最近流行?の定年後開業(1)定年後開業社労士は食べていけるのか?
最近、県会の会報を読んでいると、新入会員の紹介で「定年退職を機会に独立開業しました。第二の人生がんばります!」という方をよく見かけます。
それはそうですよね。
若くして合格した意気盛んなチャレンジャーならともかく、安定した会社員という地位を捨てて独立開業できる方は、ある意味めぐまれているのかもしれません。
また、会社員の間に資格を取って、定年後に独立開業して第二の人生を夢見る方は、わりと沢山いらっしゃると思っています。
実は、40代の後半に資格を取った私もその一人です。
定年後に開業して、仕事はあるのだろうか。
ここで、問題です。
はたして、定年後に開業する社会保険労務士はどうやって仕事を得たらいいのでしょうか?
わかる範囲、思いつく範囲で考えてみます。
- DM、電話、飛び込み営業
- 会社で培った人脈、取引先を生かす
- 所属する支部活動に積極的に参加し、行政協力などから始める
- 他に何かいい方法をひねり出す
それぞれについて考察します。
DM、電話、飛び込み営業で仕事は取れるのか?
まったくおすすめできません。
定年した60歳過ぎの経験のない社労士に仕事を依頼する方がいるでしょうか?
今、ちまたでは、若い30代~40代の社労士が必死で営業をかけています。
私も売り込みの電話を何回か受けたこともあります。
顧問先に精通し、的確な助言をするためにはある程度の時間が必要です。長い付き合いになるなら若い先生の方がいいに決まっています。
最近、社労士法人からの売り込みも増えています。
新規契約であれば、先生ひとりの個人事務所よりも、担当の先生が不在でも、何とかなりそうな、複数の先生がいる事務所を私なら選びます。
特殊技能や、特定部門に精通した「売り」を持つなら別ですが、若くもなく、個人でやってる、経験の浅い社労士に頼む方はいないと思っています。
飛び込み営業に限りませんが、「定年→開業→初めての登録」をした社労士一年生には厳しいと想像しています。
※これも私が「その他」登録をすすめる理由のひとつでもあります。私は少なくとも、「社労士一年生」ではありません。勤務登録できなくて、将来開業しようとお考えの方は、是非、その他登録をご検討ください。
会社で培った人脈や、懇意にしていた取引先は生きるのか?
生きないです。
少なくとも「生きない」と思っていた方が気は楽です。
会社勤めでお会いする方や、取引先は、あくまで会社の看板を背負ったあなたとお付き合いしていることを忘れてはいけないと考えています。
「社労士資格をお持ちなのですか。それは素晴らしい。将来開業したら是非うちの顧問に」などの、営業トークを真に受けてはいけません。たとえ相手が本気で言っていたとしても、顧問契約を結ぶのはその人が勤めている「会社」です。たとえその相手が社長さんであっても、顧問の先生を勝手に選べるかどうかはわかりません。
もちろん、長年培った人脈が生きることもあります。
ただ、これだけに期待して起業するのは危険すぎると考えます。
所属する支部活動に積極的に参加し、行政協力などから始める
基本はこれでしょう。
他に、教育機関の講師などで日銭を稼ぎながら、商工会でのボランティア活動などを通じて、人脈をひとつずつ、丹念に築くのが基本と考えます。
若い地道な社労士さんも同じことを行っていると思いますが、これらは、今までの人生経験や職業知識が生きるところが必ずあるはずです。
他に何かいい方法をひねり出す
基本は分かったとして、私は他の方法を考えたいです。
「定年→開業」してから地道に頑張るのは基本です。
しかし、私には既に開業した先生方にはないものを持っています。
それは、
- 定年までにいろいろと準備できる時間
- いい方法はないか試行錯誤できる余裕
この条件を生かして、何かをひねり出したいと思っています。
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今日、支部会行ってきましたが、開業する人の半数以上が定年後の開業ですね。
ちなみに神奈川です。
私は、30代で開業しましたが、30代がほとんどいませんでした。