その他登録では社労士業務を行えない。ブログでの広告収入は大丈夫?

公開日:   最終更新日:2018/11/08

私は「その他」登録の社労士ですが、このブログで「社会保険労務士」を堂々と名乗っています。
このこと自体は、まったく問題ありません。

登録社労士なのですから。

しかし、このブログには広告が貼ってあります。
私は、広告収入を得る可能性があります。

これは問題ないのでしょうか?

そもそも「その他」登録の社労士は、開業登録している社会保険労務士と違い、社労士業務で報酬を得ることはできません。
これは、社労士の独占業務である 1号業務と 2号業務はもちろんのこと、独占業務ではない 3号業務(コンサルタント業務)においても同じです。
つまり社労士として登録した者は、本来だれでも行うことができるはずの「コンサルタント業務」であっても、収入を得ることができなくなります。

これは、「社会保険労務士たる者、その肩書を名乗って商売するためには、ちゃんと事務所を構えて開業登録をしなさい」、という意味であろうと解釈しています。

私の場合はどうでしょうか。

「その他」登録の社労士は、ブログで広告収入を得ても大丈夫!と思います

私の場合は、大丈夫であろうと判断しています。
それは、大きく分けて3つの理由です。

  1. ブログでの情報発信は「他人の求めに応じ報酬を得て」行っているのではない
  2. 広告収入は、情報発信による報酬ではない
  3. そもそも「その他登録」社労士は、何ができるか規定されていない

それぞれ詳しく解説します。

ブログでの情報発信は「他人の求めに応じ報酬を得て」行っているのではない

社労士法第2条3号では、社会保険労務士の業務のひとつとして「コンサルタント業務」を挙げています。

「事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること。(社労士法第2条3号)」

情報発信をする行為は、この「又は指導すること」にあたるのかもしれません。

しかし、「その他登録ではコンサルタント業務を行うことができない」とする根拠である、社労士法第14条の2第2項の規定を簡単に言えば、

「他人の求めに応じ報酬を得て」コンサルタント業務を行うには、事務所を定めて「開業登録」しなければならない。

ということになります。

つまり他人の求めにも応じるわけでもなく、報酬も得ないで行うブログでの情報発信は、「その他登録」の社労士が行っても大丈夫、というのが私の判断です。

広告収入は情報発信による報酬ではない

無料ブログで情報発信をするのは構わない、というところまでは間違いないと思います。
そして無料ブログには通常、広告が貼ってあり、その広告収入はブログ運営会社へ入ります。

それでは、有料のレンタルサーバーを借り、有料の独自ドメインを使って「情報発信」している私の場合も、それと同じと考えられます。
情報発信場所の費用の一部を広告収入で補うことは、情報発信で収入を得ていることにはならないという理屈です。

少なくとも、これで大きな利益を得なければ大丈夫なはずです。

そもそも「その他登録」社労士は、何ができるか規定されていない

社労士法に「その他登録」に関する規定はありません。
ですから、「その他登録」社労士は何が出来るのか、という規定もありません。

登録に関することを定めた社労士法第14条の2は、次のような条文構成になっています。

第1項 社労士となるには登録をする
第2項 依頼を受け報酬を得て社労士業務するなら事務所を定めて登録(開業登録)
第3項 事業所に勤務して社労士業務を行うなら事業所を登録(勤務登録)

要は「登録」して社労士となり、社労士業務をするにあたり、いろんな所の依頼を受けるなら「開業登録」、勤め先だけで行うなら「勤務登録」となるわけです。

登録社労士として、社労士業務以外の事をすることに特に制約はありません。
(もちろん職業倫理に反してはダメですが・・・)

単純に、社労士ブログを開設して情報発信するのに「その他登録」でも問題ないと考える所以です。

この記事は個人の研究であり、公式見解ではありませんのでご注意ください

まあ、無いとは思いますが、本気で心配するほどの利益が上がるようなことがあれば、県の社労士会に見解を聞いてみることにします。

実際、現実の私は、広告収入なんてほとんどありません。
レンタルサーバー費用の足しにでもなれば、と思っていましたが、まだまだ遠い先のようです。

(参考)社会保険労務士法 第十四条の二(登録)

社会保険労務士となる資格を有する者が社会保険労務士となるには、社会保険労務士名簿に、氏名、生年月日、住所その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。

2 他人の求めに応じ報酬を得て、第二条に規定する事務を業として行おうとする社会保険労務士(社会保険労務士法人の社員となろうとする者を含む。)は、事務所(社会保険労務士法人の社員となろうとする者にあつては、当該社会保険労務士法人の事務所)を定めて、あらかじめ、社会保険労務士名簿に、前項に規定する事項のほか、事務所の名称、所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。

3 事業所(社会保険労務士又は社会保険労務士法人の事務所を含む。以下同じ。)に勤務し、第二条に規定する事務に従事する社会保険労務士(以下「勤務社会保険労務士」という。)は、社会保険労務士名簿に、第一項に規定する事項のほか、当該事業所の名称、所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。


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