社労士はまだまだ足りない。企業数と登録社労士人数のアンバランス

公開日:   最終更新日:2018/08/18

日本に「会社」がいくつあるのかご存知ですか?
一般に、約400万社あると言われています。

総務省統計局が行った「平成26年経済センサス基礎調査」によると、日本には、592万7000の「事業所」があります。
このデータを中小企業庁が分析・集計を行い、「企業数」は382万と公表しています。
(平成28年1月29日公表:2014年7月時点のデータ)
中小企業庁:中小企業・小規模事業者の数等(2014年7月時点)の集計結果を公表します

この382万という数字のうち、従業員が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の小規模事業者が8割以上を占めています。

小規模事業者といえども労働者を雇用すれば、社会保険が必要です。
労働問題もあるでしょう。
社労士の出番です!

もちろん、全ての会社が労働者を雇用しているわけではありません。
逆に会社組織ではない団体や個人事務所でも、労働者を雇用しています。

この労働者を雇用しているすべての会社や団体などが、社労士に相談するとしましょう。
社労士は何人必要になるでしょうか?

現在登録社労士は全国で4万人、そのうち開業登録している社労士が25,000人。
残りの15,000人が、勤務社労士として活躍しているわけではありません。
私のように、登録しているだけの「その他登録」社労士もいます。
実際に業務を行っている社労士は、4万人を下回ります。

400万社が社労士に相談するとなれば、社労士ひとりあたり、100社以上受け持たなければなりません。
これは無理な相談です。

現在の社労士の人数では、日本の会社すべての依頼を受け止められません。

「社労士は食べていけない」というのは間違い?

「社労士が足りないなら、資格さえあれば食べていけるの?」というのは早合点です。

「社労士は食えない資格」
「社労士暗黒の時代」

よく、雑誌とかで目にしますよね。

これらはあながち間違ってはいません。
「資格だけ」あっても食べていけません。

看板を出せば客が来るような仕事ではないのですから。

みんなどんどん新規開業しています。頑張って営業しています

県社労士会の会報を読んでいると、開業登録者のあいさつが毎月必ず載っています。
勤務登録から開業登録への変更も毎月のように載っています。

私は会社員ですが、仕事がら、社労士からの営業の電話をよく受けます。
実際に紹介があって、お会いして直接営業を受けたこともあります。
別の事業所の話ですが、開業間もない社労士の先生に単発で仕事の依頼もしていました(これも紹介ですが)。

中小企業に勤める私の周りでは、まだまだ社労士の知名度は低いのです。
社労士さんから業務改善の提案や、補助金や助成金の話を聞いて、

「社労士さんって、そんなことも出来るんですか~」

と驚く経営者の方、まだまだ多いのです。

「給与計算と役所への提出書類作成しか頼んじゃいけないと思っていました」

つい最近も聞きました。
まだまだそんなものなのかもしれません。

社労士市場が、これから広がることだけは間違いない

冒頭で紹介したように、社労士が人数的に足りていないことだけは確かです。

これまで会社にとっての社労士は、税理士などとは違い、頼らなくても何とかなる存在でした。
しかし近年の労働環境の変化に対応するためには、これまでとは違い、その道の専門家が必要です。

  • 残業未払いや過重労働などの労働問題
  • テレワークや多様な働き方などの働き方改革
  • 育児や介護、闘病中の就業などの新たな問題

時代は、後戻りしてくれそうにもありません。

社労士なら誰でも食べていけるほど甘い世界ではないですが

まるで「社会保険労務士の未来は明るい」みたいな書き方をしていますが、そんなに楽観視はしていません。

  • 需要が増えれば供給も増える
  • 供給が増えれば単価が下がる
  • 供給が増えれば供給する側は効率化を進め、少ない人数で大量の注文をさばくようになる

当然のごとく、市場原理が働きます。
そうなると近い将来、社労士法人の大型化が始まり寡占化へと向かうかもしれません。

特許事務所(弁理士)がそうであったように
税理士事務所がそうであったように
今では弁護士事務所も大型化、寡占化が進んでいます。

ちなみに、私もいずれは開業するつもりです。
頑張らなきゃ!ですね。


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