在宅勤務は即導入でもOK。会社に来てもPCの前から動かずメールで会話

公開日:   最終更新日:2017/12/10

在宅勤務とは、総務省が推進する「テレワーク」のひとつです。
このテレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した、時間と場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことですね。
実際に企業がこのテレワークを採用するとしたら、情報漏洩の問題などを最小限に抑えるために、自宅を就業場所とする「在宅勤務」を選択することになるのが一般的です。

企業にとっても社員にとっても夢のような「在宅勤務」。環境は整いつつある。あとは本気で導入する勇気と続ける根気か?

育児や介護などの事情でフルタイムで働くのが難しい社員のために、「在宅勤務制度を導入したい」と考える企業が増えてきました。
特に最近、有名企業が導入した!というニュースを目にするようになると、

・在宅勤務=社員にやさしいホワイト企業
・在宅勤務=時代の最先端を行く将来性ある企業
・在宅勤務=採用時に就活生にアピールできる
・在宅勤務=社員の定着率もアップし、業績もアップ

という具合に、企業の夢はどんどん広がります。

社員にとっても夢の在宅勤務

朝起きてゆったりと朝食を取り、自宅のデスクに向かい仕事を始める。
満員電車の辛さなんか、とうに忘れた。
ちょっとした合間に家事を済ませ、息抜きに近所でお買い物。
夕方、会社との必要な業務連絡を行い、パソコンの電源を落とす。
家族だんらんでの夕食、少し趣味を楽しんだら明日のために寝室へと向かう。

社員にとっても夢のようですね。

在宅勤務ができる環境は整ってきた

業務面から、在宅勤務が可能かどうか考えてみます。

ここ最近、オフィスの風景が変わってきました。
それは、パッと見ただけでは何の業務をしているか分からない社員が増えたことです。
その特徴はというと、

・机の上でもくもくとパソコンに向かう
・固定電話は使わず、携帯電話でやり取り
・社員同士の会話はほとんどない

といった感じの方です。
これなら自宅でも、同じように仕事が出来そうです。
さて、この社員は何をしているでしょうか。

実は、営業職も販売職もデザイナーも編集も、総務だって経理だって皆、こんな感じなのです。

・営業職は、見積もり作成、クライアントへのメールのやり取り
・販売職は、ネット注文をさばきながら顧客とのメール
・デザイナーや編集、総務、経理は専用ソフトを使って作業を行う

ちなみに社員同士の会話が少なくなっているのは、声を掛ければ届く距離にいる同僚や上司部下にもメールで指示を送り、「承知しました」、「了解」とメールで返事をするからです。
これは別に、コミュニケーションが取れていないわけではありません。
指示や了承の「記録を残す」という意味で、大切なことなのです。

以上の事から考えれば、技術職や接客業などの一部の方を除けば、かなりの方が在宅勤務でも大丈夫のように思えます。

夢は一度覚めても繰り返し見る

しかし残念ながら、総務省のホームページを見ても、「テレワークは就労者、企業、社会全体に対して広く効果があると期待されているが、企業での導入や就労者における認知は十分には進んでいない。」となっており、在宅勤務に関しての普及はまだまだです。
総務省「平成27年通信利用動向調査」ではテレワーク導入企業は16.2%にとどまり、国交省の「平成27年度テレワーク人口実態調査」で見ても、まだまだこれからという印象です。
このことはネットで、「在宅勤務 デメリット」といったキーワードで検索すれば、導入の難しさや、運営上の問題に関する記事がたくさん出てくることからも分かります。

それでも、「導入は時期尚早」と言って一度はあきらめた企業も、しばらくすると導入の検討を始めます。

「夢は一度覚めても繰り返し見る」といったところでしょうか。

時代は少しずつ変わってきている

先ほど例にあげた、机にしがみついてパソコンとにらめっこしている営業マンの話です。

・「メールだけではダメだめだ」
・「顔を突き合わせて話をするんだ」
・「とにかく、お客様のところへ足を運べ」

と言われていたのは、ついこの前の話です。
今ではクライアントの方から、

・「来社いただいても会えません」
・「用件はメールを入れてください」
・「返答はメールでします」

と言われることも増えています。
古い人間にとっては悲しいですが、時代はすこしずつ変わってきています。

そう遠くない将来、在宅勤務が当たり前になるのでしょう。
そのころは私は、すっかり隠居しているはずです。
新しい時代のことは、その時代を生きる方達が選択すればいいです。


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