特定社会保険労務士になるための、「勤務等」その他登録という選択肢

公開日:   最終更新日:2019/08/16

「特定」社会保険労務士、社労士を目指した頃からのあこがれでした。
この特定社労士は、通常の社労士業務に加えて、労働問題で争いが起きたときの「紛争解決制度」での代理業務を行うことができます。
「事務を代行するだけの社労士に未来はない、これからは特定社労士の時代だ!」などと、社労士試験に合格する前から興奮していました。

社労士登録しなければ研修すら受けることができない。合格したらすぐに登録しなければ!

この特定社労士になるには、研修を受け、社労士試験とはまた別の試験に合格しなければなりません。
この研修とは、厚生労働大臣が定める司法研修(特別研修)というもので、これを修了したうえで、「紛争解決手続代理業務試験」に合格しなければなりません。
しかしこの試験、調べてみると合格率は60%はありますので、まじめにがんばれば何とかなりそうです。

それよりも、前提となる研修の受講資格が問題です。
社労士登録を受けていなければ、研修を受講することさえできません。

登録は「勤務等(その他登録)」でも、もちろん大丈夫。そのような方も意外とたくさんいるかも

開業する予定も、勤務先で社労士業務も行っていない私に残された選択肢は、たったひとつでだけでした。
そうです、「その他登録」です。
世にもめずらしい「その他登録の特定社会保険労務士」を目指そうと考えました。

しかし、調べてみると、そんなにめずらしくもないようです。
「特定社労士」となるためだけに社労士登録をして、研修を受けて試験に合格したら一旦退会する、という方もいらっしゃるようです。
将来、社労士として開業するときに再登録し、そのときに特定社労士となるための「紛争解決手続代理業務の付記申請」をするのでしょう。
この付記申請は、紛争解決手続代理業務試験にいったん合格すれば、その後いつでもすることができます。
「取れるうちに取っておこう」という考え方ですね。

私は、いったんあきらめました。研修に必要な時間が取れません

結局私は、特定社労士への夢をあきらめました。
普通の企業に勤めている一般社員にとって、研修への参加と修了がむずかしかったからです。

・研修総時間数が60時間以上!
・気を使ってくれてか土日が中心だが、平日にも開講も
・研修の全日程に出席して、すべてのカリキュラムを受講!

勤務社労士で会社の後押しがある立場でないならば、普通のサラリーマンには無謀な挑戦です。
非常に高い確率で、10万円近い受講料を無駄にすること疑う余地なし!です。

特定社労士でなくても十分活躍できる、というか違う役割がある

その後私は、徐々に特定社労士に対する意欲を失っていきました。
紛争解決手続代理業務試験の受験者数や合格者数も、最近では落ち着いてきているようです。

特定社労士の紛争解決手続代理業務は、もちろん大切な業務であり、将来的には社労士業務の中心になるのでしょう。
目指せる方は、ぜひ目指してほしいと思います。

しかし、紛争解決手続代理業務を行えない「無印」社労士は衰退するかというと、それもありません。
その他登録として5年、仕事などで何人かの社労士とふれあう中で、その思いを強くしています。
私は、今後もしばらくは、その他登録「無印」社労士です。
>> 特定社会保険労務士は、社労士の上位資格ではなく業務範囲の拡大資格

将来、特定社労士の資格が必要になる時が来たら、そのときにまたあらためて考えるかもしれません。


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