みんなのあこがれ万年課長は今でも大人気。年功序列とともに消滅か?
私のこの社労士ブログの中で、ひときわ不人気なのが「労務」カテゴリーです。
どんなに不人気でも、社労士ブログには必須のカテゴリーですから書き続けますよ!
などと考えながら大事に大事にしてきましたが、ここで大きな変化がありました。
このブログに訪れるためのキーワードの1位が、いつのまにか「万年課長」になっていました!
原因?は、たぶんこの記事です↓。
>> 万年課長への狭き門、夢のようなサラリーマン生活を続けるのは難しい
Googleサーチコンソールというツールで、アクセス解析を行った結果です。
そのツールの、「検索アナリティクス」という機能で、このことを知りました。
万年課長へのあこがれ・・・、私だけじゃなかったのですね
私が小さい頃からあこがれていた「万年課長」。
いちおう「課長」という役職を手に入れながら、たいして責任のない立場で楽に生きていきます。
いらない責任を負わないためには、期待されないことが大切です。
私の苗字は、漢字2文字ひらがな4文字というよくあるものです。
万年課長は、この苗字の前部分+「さん」付けで呼ばれることが大事なのです。
山本ならば「やまさん」、武村ならば「たけさん」っていう感じです。
「○○課長!」なんて呼ばれることもなく、
「も~っ!○○さ~ん、お願いしますよ~。」と自分より若い上司や、子供のような年齢の部下に「しょうがないな~」気分で呼ばれなければなりません。
そうこうしているうちに、サラリーマン人生を終える「万年課長」、
残念ながら、年功序列制度の崩壊とともに消滅の危機です。
だって、こんな万年課長さん、
年功序列制度がなかったら、まずは課長になれやしません。
ここからは、少しお堅い話です
年功序列制度が時代遅れと呼ばれるようになり、かなりの年月が経ちました。
成果主義や目標設定管理などを中心とした人事制度改革の大波の中、年功序列という考え方は時代遅れのレッテルを貼られ、あっという間に駆逐されてしまいました。
そして今や「同一労働同一賃金」という海外発祥の、ドライな制度の導入が急がれます。
すっかり追いやられた感のある「年功序列」。
ひょっとして、てすばらしい制度じゃなかったですか?
日本人の「心」の年功序列
同じ会社で長年がんばって、経験を積み、人脈を広げ、技術を磨き、それに従い給料も役職も少しずつ上がっていくという年功序列。
社員は自分の生涯賃金の計算が立つし、会社も将来の人件費総額がコントロールしやすい年功序列賃金。
変に意欲のある尖った社員は離れていくかもしれないが、地道にコツコツと努力する社員が残る年功序列制度。
社員たちは、気がつけば上がっていた給与を維持したく、退職なんて考えられなくなります。
この、年功序列制度に依存しすぎると、皆が挑戦意欲を持たなくなり、事なかれ主義に走ると批判されてきました。
しかし、事なかれ主義で皆がまじめに黙々と働くことは、会社にとって良いこともたくさんあります。
社員が安心して長くまじめに働いてくれるなら、それに越したことはありません。
日本人は勤勉ということは、もうみんな知っています。
功をなすため無理に頑張る社員が、下手を打つこともよくあります。
年功序列は企業の拡大を前提とした制度。今さら戻せない。
たしかに年功序列は万能ではありません。
若い人たちで起業したとしましょう。
この若者たちも、いずれ年を取り、役職につき高給取りになります。
その高給取りを支える若手社員たちは、年配の高級取りよりも多くの人数が必要になります。
企業の成長が止まったとしましょう。
毎年同じ利益を維持しているはずなのに、人件費が少しずつ増えて経営を圧迫することになります。
つまり、企業の拡大が止まったら崩壊する制度が年功序列制度でもあります。
一度やめてしまったら、もう年功序列賃金には戻せない
人手不足が深刻となるバブル期後半から、「実力主義」、「成果に応じた報酬」というような言葉が使われ始め、その後に就職した方は、人事制度改革の真っただ中に放り込まれました。
古くから商売をしている歴史ある会社、もちろんそこは年功序列賃金が採用されています。
そこの社員たちは、びっくりするような取柄こそないものの、まじめに日々の業務をこなしています。
毎年、年齢と社歴に応じて昇給があり、生涯賃金までおおよそ計算することができる、そんなやさしい会社です。
そんな会社でも、いつしか人事制度改革の大波に飲まれ、またコンサルタントの言葉に夢を見て、成果主義へと舵を切っていきました。
改革ばかりが正解ではないから
今さらながら、年功序列と終身雇用が大卒就学生の間で人気が出てきています。
「安定志向」と呼ぶらしいです。
しかし、一度成果主義に移行してしまうと、もう二度と年功序列には戻れません。
今はまだ、年功序列賃金を採用されている企業様、
人事制度改革もよろしいでしょうが、現在の年功序列賃金を変えないという選択肢はいかがでしょうか。
私は万年課長にはなれませんでしたが、憧れている方もたくさんいますよ。
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