勤務社労士にならない3つの理由。私が中小企業に勤めているからです
私は会社勤めをしていて、社労士登録をしています。
「それじゃあ、勤務登録すればいいじゃないか!」という声が聞こえてきそうですね。
私は人事や総務ではありませんが、営業職でも技術職でもない、どちらかといえば事務職になります。
勤務登録を会社に願い出れば、社労士会の年会費くらいは会社が負担してくれると思います。
それでも私は自腹を切って、「その他登録」を選びました。
その理由は以下の3つ、その背景として、私が中小企業に勤めているからです。
- 会社の本音が聞こえてくるから、第三者の立場になれない
- 社員の個人的事情が見えるから、第三者の立場になれない
- 社労士としての経験が積めない。それなら外部のプロに頼む
こうして私は勤務社労士にはならず、その他登録という道を選んで、サラリーマンを続けています。
>> 給料もらってサラリーマン。社労士目線で会社の中から労務問題を見る
中小企業ならではの理由。会社の事情も、経営者の考えも、社員の顔も、みんな知っています
社労士は、会社から報酬を受け取りながら、社員の労働環境向上ために行動しなければなりません。
この板挟みのような関係が、労使にとっての中立を維持できると考えています。
これは委託された外部の社労士でも、勤務社労士でも同じことです。
しかし中小企業では、なかなか中立的に判断することができません。
私は弱いのです。
会社の本音が聞こえてくるから、第三者の立場に立てない
中小企業に30年も勤めていると、会社の経営状態などがある程度見えてきます。
経営者も身近に感じますし、本音も聞こえてきます。
とてもとても、第三者的立場から労働問題を解決できる自信なんてありません。
社員の個人的事情が見えるから、第三者の立場に立てない
規模にもよりますが、私の勤める中小企業くらいであれば、社員全員が顔見知りです。
家庭事情から本人の性格、好き嫌いなども分かってしまいます。
私自身の今までの勤務態度や発言なども、みんなに知られています。
そんな中で、第三者的立場で労働問題を捉える冷静さを私は持ち合わせていません。
社労士としての経験が積めない。それなら外部のプロに頼む
私には社労士としての経験がありません。
もちろん社労士業務もちゃんとできません。
勤務社労士として経験を積めばいいのでは?という考えもありますが、そんなに簡単ではありません。
もともと社員の少ない中小企業では、そんなに頻繁に労働に関する問題や、働き方改革による制度の新設などあるはずもないのです。
最近増えてきたとはいえ、外部の社労士さんに相談するのは、年に1~2回くらいなものでしょうか。
悲しいかな、中小企業の勤務社労士は、その経験の蓄積が圧倒的に少ないのです。
また、基本的には自社のことしか知りませんから、世間の常識に則った「標準的な判断」ができないのです。
ですから私は、外部の社労士の先生に依頼しています。
経験豊かな先生の「一般的な考え方」には、いつも感心させられます。
勉強になります。
私が中途半端な知識で自分の意見を言った後で社労士の先生に依頼し、
「社労士に確認したところ、こういうことでした」と報告する度に、私は勤務社労士にはなれないなあ、と真剣に思う次第です。
もうひとつの大きな理由、老後のために住所地の県会、支部に入りたかった
実は、この理由が一番大きかったりします。
私が社労士資格を得たのは、すでに50歳の手前でした。
すでに社内で確立された業務がありましたので、今さら勤務社労士業務を行う気にはなりませんでした。
私がもっと若ければ、勤務社労士として一旗揚げよう、と考えたのかもしれません。
それに私は、都会の近郊の県からの越県通勤者です。
勤務地の社労士会よりは、老後の独立開業に向けて、地元の県会と支部に入りたかったのです。
とは言っても、支部活動にはほとんど参加できていませんが・・・。
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事務指定講習が本日終わり、一度は断念した登録を考えています。年代、会社での立ち位置、受験の動機など、かなり被ることがあり考えさせられました。
社労士登録することで、仲間社員の相談に乗れないのは盲点でした( ̄◇ ̄;)
でもこのまま登録しないより、10年後を見据えて知識の蓄積、社労士仲間の人脈構築と、登録のメリットはありそうですね。ありがとうございました。