ダブルライセンスは必要があって取るもの。それでも何か取りたいなら
「ダブルライセンスで仕事の幅を広げよう!」
「これからは複数資格の時代、ライバルに差をつけろ。」
実際に社労士を目指して予備校に通っていたりすると、こんな宣伝文句をよく耳にします。
一方、社労士の先生からは、
「社労士業務は研鑽の連続です。他の資格取得を目指すヒマなんかありません。」
「社労士業務だけで食べていけない者が、他の資格を取っても食べてはいけない。」
などと厳しい言葉も聞かれます。
ダブルライセンスが必要かどうかは、その人によりますが、共通して言えることがひとつあります。
それは、「必要に迫られて取るなら意味がある。新しい需要を開拓しようとして取っても役には立たない」ということです。
つまり社労士業務を行う中で、顧客へより良いサービスを提供するためだとか、他の士業と連携してきたことをできるようにするためなら意味がありますが、社労士業務も満足に行えないのに資格だけ取っても役に立たない、ということです。
それはそうでしょうが、これから開業する方にとっては、武器は多い方がいいという方も多いでしょう。
人気のあるダブルライセンスについて、考えてみましょう。
人気のある「社労士とのダブルライセンス」は、とりあえず止めておきましょう
人気のあるダブルライセンスは、それこそ「需要があって」取るべきだと考えています。
開業されている先生は社労士業務に集中すべきですし、勤務社労士や私のようなその他登録社労士には、本業の仕事があります。
本業の仕事をしながら、社労士として研鑽を続けていると、それ以上の余裕はありません。
私などは支部活動や研修にもほとんど参加できていませんし、法改正などについていくので手一杯です。
勤務社労士の方も、会社で社労士業務だけを行っている方は少数だと思いますので、似たり寄ったりだと思います。
資格取得のための勉強は、残念ながら将来役に立たない部分が多かったり、時間を浪費してしまうことが多いのです。
どうしても取らなければならない資格以外のために、貴重な時間と労力を割くことはおすすめしません。
>> 細かい知識は試験当日だけ覚えていれば十分。資格のためと割り切って
人気のある資格といえば・・・
- ファイナンシャルプランナー
- 中小企業診断士
このあたりが人気だと思いますが、いずれも業務独占資格ではありませんので、資格がなくても同じことができます。
例えばファイナンシャルプランナーなどは、年金相談から資産形成相談が増えてきたときに、知識を身につける延長線上で取れば十分だと思いってます。
中小企業診断士も同じです。
コンサルタント業務を行う方は、同じくらいの知識はすでに持っていますし、肩書が必要な方は挑戦してもいいかと思います。
私は、経営コンサルタントの先生と何度か仕事をしていますが、中小企業診断士の資格を持っているかどうかを気にしたことはありませんし、持っていない先生の方が多いです。
業務独占資格なら意味があるけど、資格取得の時間と努力を他に向けた方が・・・
- 行政書士
- 宅地建物取引士(宅建士)
- 土地家屋調査士
これらの資格を持っていれば、さまざまな書類作成を請け負うことができるため、顧客へのサービス向上につながることは確かです。
しかしそんな書類作製の機会は、どれほどあるでしょうか。
それに資格取得には、それなりに時間と努力を必要とします。
それなら専門の先生にお願いして士業間の連携を作り、仕事を紹介し合うような関係を築く方が将来的に役立ちます。
- 税理士
- 司法書士
- 弁護士
このへんになると、もういけません。
このあたりの資格を目指して勉強を始めてしまったら、何が本業かもう分からなくなってしまいます。
今自分の持っている特技や知識で、取れる資格を取っておこう
否定ばかりしていますが、決してダブルライセンスを否定しているわけではありません。
ダブルライセンスのためだけに、時間をかけ努力するのはどうかと思っています。
これから開業する方にとっては、武器は多いに越したことはありません。
今自分の持っている特技や知識で、取れる資格を取っておくことをおすすめします。
開業したときに、今までの会社生活で培ってきた技能や知識を「資格」という形で見える化しておくといいでしょう。
私自身、今までダブルライセンスに興味がありませんでしたが、私も少し真剣に考えてみます。
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