歳を取ると長時間労働がきつい。短時間正社員制度は50代を救えるか?

公開日:   最終更新日:2017/10/23

歳を取ると、無理がきかなくなります。
普通の就業時間である、8時間労働がキツいのです。
残業なんてしようものなら、翌日、翌々日までダメージが残ります。

でも、ひょっとしたら 8時間労働だけなら大丈夫なのかもしれません。
しかし、その8時間労働を行うためには、途中で休憩時間が1時間あり、前後に通勤時間が片道1時間とすれば往復で2時間必要です。
合計すればこれだけで11時間、出社準備やロスする時間も考えれば、毎日12時間、つまり少なくとも1日の半分は労働のために費やしています。
残った時間を、食事や入浴や睡眠に充てると、毎日があっという間に過ぎていきます。
週休二日制が定着して昔よりはずいぶんと楽にはなりましたが、歳とともにキツくなってきました。

若い頃なら、平日でも仕事終わりに時間をひねり出して遊びに出かけたり、休日を謳歌できたものですが、歳を取った私の休日は、本当に体を休める日になってしまっています(と言いながらもブログだけは書いていますが・・・)。

最近耳にする「短時間正社員制度」、定年前の疲れた50代への適用はあるのでしょうか

短時間正社員制度とは、就業意識の多様化の中、ライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方を実現させるものとされています。
厚生労働省はHPで、「短時間正社員制度導入支援ナビ」というページを作り、積極的に支援をしているようです。
これは生産人口減少に歯止めをかけるべく、育児や介護などで思うように働けなかった人材を積極的に活用しましょう、ということがその目的です。

「思うように働けなかった人材」の中には、もちろん体力的にきつくなった定年前の50代が含まれていてもいいはずですが、まだまだそこまでには至っていません。
短時間勤務が職場で当たり前に利用されるためには、短時間勤務の方が職場で特別視されない環境づくりが必要だからです。
しかし現状では、待遇はもちろん仕事内容でも差を付けておかないと、フルタイム勤務の方の理解はなかなか得られません。

あくまで「一時的なもの」としての、時短勤務が一般化するのが先決

フルタイム勤務の方の理解を得るには、育児・介護などの「一時的なものであること」、「将来だれにでも起こり得ること」であることが、まずは前提です。
厚生労働省のHPでも、「将来的なフルタイム正社員への復帰・転換について検討する」という項目があることで分かる通り、「一時的なもの」をまずは広く一般化させることが必要です。
大手有名企業では、育児・介護の時短勤務が当たり前になりつつありますが、周囲のフルタイム勤務社員が心の底から受け入れているかと言えば
まだまだです。
ましてや中小企業や零細企業では、以前のように正社員からアルバイト・パートへの転換をせまることなどは減っているようですが、その取り組みはようやく入口にさしかかったところです。

育児・介護の短時間勤務が一般的になっていくとともに、「定年後も働き続けたい高齢者」にまで範囲を広げていくことも期待されますが、「決まった日時だけ働きたい方」という私のように社会的にはわがままと見られる者は、一番最後になりそうです。

とても私の定年までに、一般化されそうにもありません。

銀行の営業時間は短いけれど、銀行員は短時間労働ではなかった

私は小さい頃、銀行員にあこがれていた時期があります。
高収入や堅いイメージなどは、全く関係ありません。
銀行が9時に開き、15時に閉まるのを見て、「昼休みはないけれど、働く時間が短い(6時間労働)!」と、勝手にあこがれていました。

もちろんそんなことはなく、どこの銀行でも就業時間は普通の企業と同じです。
それどころかその昔は、7時30分には大半の行員が出勤し、深夜残業や休日出勤すら当たり前の、今でいうブラックな勤務形態でした。
おまけに精神的にも肉体的にもキツく、当時の高収入はそのキツさの代償と知った私は、銀行員にだけにはなるまいと、子供ごころに誓ったものでした。

無いのなら自分で作ろう。将来開業したら短時間勤務は可能でしょうか

これは難しいですね。
クライアントが営業しているのに、業務委託先である社労士が店を閉めるわけにはいきません。
通勤時間が短くなることに満足するか、クライアントにこだわらない営業スタイルを取るか、ですね。

それでも将来の私の事務所は、夢の短時間勤務を目指すことにしましょう。
今考えているのは、9時始業の16時終業、昼の休憩1時間です。
朝3時間仕事して1時間の昼休み、午後も3時間働いて終了、帰りに買い物をしても明るいうちには帰宅できる、そんな働き方を夢見ています。


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