PC不要、脳内でできる!かんたん老後シミュレーション「年間240万円」

公開日:   最終更新日:2020/12/20

自分の老後に不安を抱く方は多いと思います。
私もそのひとりでした。

「老後資金は2,000万円必要」とか「老後の生活費総額は8,000万円」とか言われても、金額が大きくて実感がわかないと思います。
老後生活の収支シミュレーションは、世の中に沢山ありますが、どれも計算や入力が大変です。

そこで、私がここ5年くらい愛用している簡単な老後シミュレーションをご紹介します。

かんたん老後シミュレーション

  • 年間240万円(月20万円)で生活する!

以上、これだけです。つまり、

  • 年間で240万円、賃金や年金などで現金を得るか、預金を取り崩す
  • 支出は年間240万円に抑える

この二つを基本として、

  • 入ってくるお金がこれより足りない分場合は、どうするか考える
  • ちょっぴり余裕を持って暮らしたければ、その分を貯めるか稼ぐ

ということです・・・簡単ですw

年間240万円での生活を基準に考える

これではあまりに不親切ですので、具体的に書いてみます。

・      :
・      :
・56歳:手取り 240万円
・57歳:手取り 240万円
・58歳:手取り 240万円
・59歳:手取り 240万円
・60歳:退職金1,200万円の内 240万円(1/5)
・61歳:退職金1,200万円の内 240万円(2/5)
・62歳:退職金1,200万円の内 240万円(3/5)
・63歳:退職金1,200万円の内 240万円(4/5)
・64歳:退職金1,200万円の内 240万円(5/5)
・65歳:年金夫婦合計 240万円
・66歳:年金夫婦合計 240万円
・67歳:年金夫婦合計 240万円
・      :
・      :
(夫婦2人暮らし、60歳退職、夫:厚生年金170万円/年、妻:国民年金70万円/年)

となります。

退職金がなければ、65歳になるまで頑張って働いて、

・      :
・      :
・63歳:手取り 240万円
・64歳:手取り 240万円
・65歳:年金夫婦合計 240万円
・66歳:年金夫婦合計 240万円
・      :

となりますし、単身者や自営業者で年金が240万円も見込めなければ、

・      :
・65歳~:年金合計 180万円+手取りor預金取り崩し60万円(月5万円)
・      :
・65歳~:年金合計 150万円+手取りor預金取り崩し90万円(月7万5,000円)

という具合です。
ちょっとした空き時間や電車の中でも、頭の中でシミュレーションが可能です。
私は携帯電話のメモ帳に上の表を保存して、時々眺めていました。

なぜ「240万円(月20万円)」なのか

年間240万円としているのは、月20万円の暮らしというものが単純に考えやすいからなのと、先ほど書いた単身者や自営業者の場合の足りない額などが、暗算でも計算しやすいからです。
また、世間で月20万円といえば、

・大学初任給は20万円ちょっと
・ちまたの求人広告で、正社員募集も月給20万円くらい
・元サラリーマンと専業主婦で年金額も月に20万円くらい

という具合にたくさんいらっしゃいますので、参考にもしやすいです。

年間240万円で暮らしていけるのか

年間240万円(月20万円)あれば、贅沢はできないけれど暮らしてはいける、と考えています。
「月15万円で生活」とかで検索すれば、節約生活のヒントはたくさん出てきますので、それを参考にうまく暮らせば、たまの旅行や趣味に使うお金を貯めることも可能かと思います。

また、夫婦2人で生活しても、一人暮らしでも支出はたいして変わらないことを考えれば、かんたんなシミュレーションとしては、これで十分でしょう。

税金や健康保険とかは大丈夫か?

税金や健康保険などは、おおざっぱなシミュレーションでは考える必要はありません。

65歳未満の退職金や預金取り崩しの間は、無収入ですので所得税住民税はゼロ。国民健康保険に加入しますが、保険料が低減されるはずですので、介護保険料や固定資産税とあわせても10万円程度でしょう。

65歳以上になったら、こんどは公的年金等の最低控除額が多くなりますので、夫婦2人・年間240万円の年金収入のみでは、所得税住民税はほぼゼロ、国民健康保険料も低減されます。

75歳以上になると国民健康保険から後期高齢者医療制度に変わりますのでので、負担は増えますが、計算が複雑になるのでいったん考えないでおきます。

こんな大雑把なシミュレーションで大丈夫?

この年間240万円シミュレーションを始めて5年以上が経過しました。
現在では、もっとしっかりと計算して将来をシミュレーションしていますが、基本はそんなに変わっていません。
制度や環境も日々変わっていきますし、このくらいのシミュレーションで、十分だと考えています。

早期退職は可能か?

もともとこのシミュレーションは、私が「会社をやめることはできないか」と考えたときに編み出したものです。
当時はこんな感じでした。

・退職金は満額はもらえない→720万円くらいか?
・20代のころ入った30年満期の養老保険がもうすぐ満期、保険料500万円から税金が引かれ、手元に残るのは480万円くらいか?
・預金や車の売却などで、現金をかき集めれば240万円くらいにならないか?

・      :
・      :
・57歳:?
・58歳:?
・59歳:手元現金取り崩し 240万円
・60歳:養老保険480万円の内 240万円(1/2)
・61歳:養老保険480万円の内 240万円(2/2)
・62歳:退職金720万円の内 240万円(1/3)
・63歳:退職金720万円の内 240万円(2/3)
・64歳:退職金720万円の内 240万円(3/3)
・65歳:年金夫婦合計 240万円
・66歳:年金夫婦合計 240万円
・      :

ダメでした。
これでは今、会社を辞めるわけにはいきません。
59歳になるまでは働かなければ・・・。

そして今でも、頑張ってサラリーマンを続けています。


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