独占禁止法・考え方を理解しておこう。試験では簡単でも実務では重要
最終更新日:2024年4月30日 18時41分
公開日:2018-05-06 12:52:21
独占禁止法は読んで字の通り、独占を禁止する法律です。
市場で誰かが物や権利を独占してしまうと競争原理が働かなくなります。
独占した者の思うがままになってしまうのです、
それでは周りのみんなが困ってしまいますので、この法律が生まれました。
3級知財技能検定の試験勉強においては、細かいところは出題されません。
ですから、次の3点を大まかに暗記するのが基本です。
- 「禁止されていること」は、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法
- 独占禁止法の規定は、「著作権法や特許法などの権利の行使には適用しない」
- 特許などのライセンス契約(実施許諾)時に「許される制限、許されない制限」
しかしなぜそれが禁止されているのかまで考えておくと、いざ試験本番で忘れてしまっても答えにたどり着けるようになります。
また、将来実務でも必ず役に立ちます。
ふだんは意識していないだけで、いつも実務の側にある法律です。
独占禁止法は、大企業だけに関係する法律ではありません。
独占禁止法は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」が正式名称です。 これらが適用されるのは、もちろん大企業に限ったことではありません。 しかし世間では、「巨大企業の合併や買収が、独占禁止法で認められるか?」なんていうイメージが強いです。 公正取引委員会に対しても、なじみがないのが普通です。ふつうの会社が公正取引委員会の名を目にするのは、「下請法」がらみくらいかもしれません
公正取引委員会は、独占禁止法の特別法でにあたる下請法(下請代金支払遅延等防止法)の執行を、中小企業庁と共に行っています。 こちらの下請法がらみでは、- 下請け業者には「親事業者にいじめられていませんか」というお伺いが
- 親事業者には、「下請け業者をいじめていませんか」などとのお伺いが
独占禁止法的に「グレーな行為」は、日常茶飯に起こっている?かもしれません
実際の企業活動は、市場の占有率を上げることを目標に努力を重ねています。 願わくば、一社独占を目指しています。取引も、公平に行っているわけではありません。
値段が高いけれど、信頼できる取引先に仕事をお願いしたいものです。
ライセンス契約も、全ての会社様とも公平に、というわけにはいきません。
制限や禁止事項も、必ず入れます。
実際に独占禁止法に違反するかどうかを判断することはありませんが、何が禁止され、何が許されるかを知ったうえで知的財産を管理しよう
実務において、独占禁止法が直接出てくることは、まずありません。 しかし、この法律をある程度理解したうえで、実務を行うことをおすすめします。スポンサーリンク