3級知財技能士徹底ガイド せっかく取った国家資格。 役に立たせる!何かに使う!

特許法・・・一攫千金を夢見て読もう。厳しさが分かれば理解が進む

最終更新日:2024年4月30日 18時41分

公開日:2018-05-01 13:39:00

ビジネスの世界で知的財産と言えば、ひと昔前は特許のことを指していました。
もちろん他の知的財産も存在していたのですが、ノウハウなどは知的財産としては認識されず、著作権で保護されるような創作は、芸術家や文豪、音楽家といった一部の特別な世界のものでした。
コンテンツビジネスが盛んになり著作権が一般的に市民権を得た現在でも、知的財産の中心は特許であることは変わっていません。
知的財産のを勉強するなら、まずは技術保護の中心となる特許法を理解しましょう。
>> 試験範囲2.技術保護は特許権利化に注力。品種登録申請は適当でOK?

この特許制度は歴史ある、古い制度です。
ですから、特許制度があることを前提に法整備や条約締結が行われてきました。
特許法を理解することで、他の知的財産関連法規を理解する基礎ができあがります。

しかしこの特許法、時代とともに追加されて今に至っているため、制度も手続きも複雑になってしまっています。
特に他人事だと思っていると、なかなか頭に入ってきません。
ここは、自分がその当事者であると思って読んでみましょう。

ちょっとした工夫で特許を取って一攫千金!そのためには?

発明をして特許を取れば、その技術を独占できることは、誰もが知っていると思います。 この発明というもの、大企業や研究室で生み出される理解が難しいほど高度なものから、一個人が考え出した「ちょっとした工夫」に近いものまであります。

だれもが生活や仕事の中で、「ちょっとした工夫」をしていると思います。
この「ちょっとした工夫」、特許を取れないでしょうか?一攫千金を狙えないでしょうか。

どんな工夫なら発明になるだろうか?

特許を取るためには、まず「発明」でなくてはいけません。 あなたのその「工夫」、特許法でいう発明にあたるでしょうか。

難しそうですね。
「産業上利用性」や「進歩性」あたりで行き詰りそうです。
ではあなたの「ちょっとした工夫」でだめなら、家族のだれかが何か発明した、という前提で続きを見ていきましょう。

特許を取れたらお金になるかな?それまでの道のりは?

家族のだれかや、ひょっとしたら自分が、今後発明をするかもしれません。 その発明をお金に換えるためには「特許」を取らなければなりません。 そのためにはどうすればいいでしょうか? そうです、特許出願ですね。

審査を経て特許されるまでの、険しい道のりが待っています。

特許は取れた。いつまで独占できる?どこかで作ってもらうか、権利を売るか

ひとまず、特許を取れたことにしましょう。 これで、この技術が独占できるはずです。 一体いつまで独占できるのでしょうか? 出願から20年ですから、今の年齢プラス20年とすると・・・という覚え方をすれば、まず忘れません。

さあ、せっかく取った特許をお金に変えなければいけません。
物を作るための、工場設備など持っていません。
どこかに作ってもらっても、流通させるためのルートもありません。
実施権を許諾してライセンスで儲けようか、それともいっそ権利ごと売ってしまおうか(譲渡ですね)・・・。

自分ひとりでは無理そうだ。会社でみんなで職務発明?共同開発?

せっかく特許を取っても、個人で事業にするのは大変そうですね。 そもそも特許が取れそうな「発明」自体、難しそうです。 せっかく会社という組織があるのですから、それを生かしましょう。 発明者になるも良し、知財部員としてそれをサポートするも良しです。 会社が儲かれば、一攫千金は叶わなくても給料が上がるかもしれません。

自分の会社で職務発明?
他の会社や研究所と共同開発しての共同出願?
いろいろと便利な制度がありますね。
特許となった後の、権利関係にも注意が必要です。

全体像をつかめば、良くできた仕組みと分かる。理解はできた!

いかがですか? 自分で特許を取って一攫千金を夢見ると、その難しさが分かってくると思います。 それと同時に、この特許法によるわが国の特許制度、いろいろと考えられた仕組みであることが理解できてくるでしょう。

それが分かれば、特許法の基礎知識が理解できたも同然です!

特許法を理解できれば、知的財産の勉強の半分は終了?

繰り返しになりますが、この特許制度を前提に、他の知的財産関連法規の法整備や条約締結が行われてきました。

・発明ほど高度でないものを保護する実用新案法
・似たような発想で、工業デザインを保護する意匠法
・違うものなのに、この手続きと流れを利用する商標法
・特許法による保護を例外とする独占禁止法
・国際的に特許を保護する各種の条約


特許法さえ理解できれば、知的財産関連法規の勉強という道のりの半分を越えているのかもしれません。

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